角川春樹 - 全体 61

江戸の町は、江戸大絵図に由来して、町奉行所支配の黒引内と関東郡代支配の朱引内とに二分されている。朱引内は、奉行所の目が届くことがない上に役人の駒不足もあり、まさに無法地帯。悪の温床と化していた。黒引内の御家人・片桐新九郎は、それを了としない奉行所から、隠密裏に朱引見廻役を命ぜられた。ある日、新九郎……続きを見る

町奉行支配の黒引内と関東郡代支配の朱引内に二分された江戸は、その管轄の違いが悪人の温床となっていた。微禄の御家人ながら棒術と剣の達人・片桐新九郎は、大目付の石川采女正から朱引見廻役を任ぜられ、棒手振りに身を隠しつつ、江戸の無法地帯を巡って悪を断つ。ある時、新九郎は早朝の飛鳥山で、刺殺された美女の死……続きを見る

見た目はそっくりながら性格は対照的な双子ーエースピッチャーの青山康一とセンターの健一を擁する神別高校野球部は、北北海道大会を勝ち抜きいよいよ甲子園へ！彼らの不思議な強さの「秘密」と、優勝を目指す特別な「理由」を知る前橋絵里は、全国紙のスポーツ記者。彼女の前に、神別高校の監督・田村と高校時代にチーム……続きを見る

警察学校での成績が同点で一位だった、戸柏耕史と陶山史香。彼らは卒配後も手柄を争い出世をしていくがー。なぜ二人は張り合い続けるのか？異色の連作短篇警察小説。続きを見る

心がずきずき疼きやがる。桜が満開のころだった。女房が男と心中した。惚れあって夫婦になったあいつが、よその男と心中するなんて…おれを裏切っていたのか、それとも無理に殺されたのか？あの男がすることなら、なにをされても嬉しくて、身も心も、奥から歓びがあふれてくる。わっちは、文七さんにとんでもなく惚れ込ん……続きを見る

２８歳の滝口みのりはスイーツの商品開発に携わっている。ヒットはまだ、出したことがない。進路、恋人、仕事、服、デートコース…これまでに選んできた「点」は、正解だったのだろうか…。リアルな心情描写が胸を打つ長編小説。続きを見る

関ヶ原で、１７の兜首を獲った男。文庫書き下ろし時代小説で人気の著者が満を持して贈る、明智光秀、福島正則らに槍の腕一本で仕えた可児才蔵の一代記。続きを見る

母と娘には、互いに言えない〈秘密〉がある。十五歳の晴海は、高校へ進学したくない本当の理由を、両親に打ち明けていなかった。一方、母親の可南子にも隠し事が。フィギュアスケーターとして活躍していた十代にまでさかのぼる、ある〈秘密〉があった。自らの過去と向き合うために、ニューヨークで姿を消した可南子が向か……続きを見る

１９０５年、東京・新宿で薪炭問屋「紀伊國屋」の長男に生まれた田辺茂一は、幼い頃に父と入った丸善で、書店というものがもつ崇高で特別な雰囲気に魅せられた。そして、２２歳にして夢であった「紀伊國屋書店」を創業する。茂一誕生の１２年後、千葉・市川で軍人の息子として生をうけた松原治は、大学卒業後、満州鉄道に……続きを見る

早朝のテレビ番組でお天気姉さんをしている寿々は、下町で祖母とのふたり暮らしをのんびり愉しんでいた。そんな彼女が江戸まちめぐりというブログを開設することになりー「江戸の味」を求めて、おばあちゃんと幼馴染みの寛太と共に、浅草、日本橋、神田、築地へ…。寿々は、料理も街も人も、時間がずーっとつながっている……続きを見る

真田幸村と十勇士には「打倒！家康」の驚愕の秘策があったー我々の知っている家康の正体とは？！神出鬼没、反骨のプロ集団・十勇士が、大活躍。手に汗握るノンストップエンターテインメント時代小説。続きを見る

落ち延びた命ー戦国の荒野に忘れてきた夢を取り返すべく、男たちは再び戦いはじめる。大坂の陣で真田幸村と共に戦い、落ち延びた明石掃部。熱烈な吉利支丹である掃部は、禁教令を敷き年々迫害を強いた徳川家に対し、再び旗を掲げる機をうかがっていた…。続きを見る