井上靖 - 全体 2

今では「古典」となりつつある鴎外の名高い短篇小説『舞姫』を井上靖の名訳で味わう。訳文のほか、原文・脚注・解説を付して若い読者でも無理なく読める工夫を凝らした。また資料篇として、ベルリン留学時代の鴎外や「舞姫」エリスの謎についてなど、作品の背景を探る代表的文献を紹介。読みごたえのある名作をさらに深く……続きを見る

師千利休は何故太閤様より死を賜り、一言の申し開きもせず従容と死に赴いたのか？弟子の本覚坊は、師の縁の人々を尋ね語らい、又冷え枯れた磧の道を行く師に夢の中でまみえる。本覚坊の手記の形で利休自刃の謎に迫り、狭い茶室で命を突きつけあう乱世の侘茶に、死をも貫徹する芸術精神を描く。文化勲章はじめ現世の名誉を……続きを見る

のちに国民的作家となった二人の知られざる美術記者としての葛藤の日々、対照的な美へのまなざしを追う。続きを見る

歴史と小説をめぐって司馬遼太郎、松本清張と語りあう。初収録３篇を含む講演・座談集。続きを見る

長じて稀代のストーリーテラーと呼ばれることになる作家は、郷里・伊豆の風土から何を承けとったのか？「自伝風小説」を中心とした精緻な読みと、長年にわたるフィールドワークの成果から、作家の深奥に伏流する民俗世界を立体的に浮かび上がらせる。続きを見る

シルクロードブームを牽引し、人々に西域の夢とロマンを届けた井上靖。足を踏み入れたことのなかった西域を、作家はどのように描いたのか。典拠資料と作品の詳細な比較から、史実と想像力がせめぎあう歴史小説創作の秘密に迫る。宮澤賢治と松岡譲の西域物もあわせて論じる。続きを見る

「『本覚坊遺文』ノート」等の「自作解説」、追悼、内容見本類の小文、自著以外の序跋等の「雑纂」および「補遺」を収録。他に年譜、作品年表、書誌、参考文献目録等。続きを見る

母の老いと死を描いた「花の下」「月の花」「雪の面」ほか昭和三十九年六月から平成二年一月の短篇三十篇および戯曲二篇、童話八篇を収録。続きを見る

伊豆湯ヶ島でおぬい婆さんと暮した幼少年期を描く自伝的小説「しろばんば」など昭和三十四年十月から三十七年十二月までの長篇二篇を収録。続きを見る

江戸爛熟期の芸人の世界を描いた「流転」、下山事件に材を採った「黯い潮」など昭和十二年一月から二十七年三月までの長篇五篇を収録。続きを見る

永遠に檜にはなれない“あすなろ説話”の哀しさを描いた「あすなろ物語」など昭和二十七年一月から二十九年十二月までの長篇五篇を収録。続きを見る

ひたすら史実に頼り、記録的、年代記的手法を用いて１３世紀の元寇を描いた「風濤」など昭和３７年７月から４０年５月までの長篇３篇を収録。続きを見る

生い立ち、恩師や友人、青春を賭けた柔道のことなど自己探究的な「自伝エッセイ」と、四季、趣味、子供たちのことなど身辺的な「随想」を収録。続きを見る

最愛の子供を喪った親たちのその悼みと悲しみへの対かい方を描いた「星と祭」など、昭和四十五年一月から四十七年四月までの長篇三篇を収録。続きを見る

一年の命といわれた主人公の一鬼太治平が「死」という「同伴者」と対話をかわす「化石」など、昭和四十年十一月から四十四年三月までの長篇三篇を収録。続きを見る

大黒屋光太夫の十八世紀鎖国下のロシア漂流譚を淡々と語った「おろしや国酔夢譚」など昭和三十九年九月から四十三年五月までの長篇三篇を収録。続きを見る

五人の留学僧の運命と十年を経て渡来してきた鑒真の不屈の姿を描いた「天平の甍」など昭和三十二年三月から三十五年七月までの長篇四篇を収録。続きを見る

西域の最初の探険家張騫や薄幸の佳人王昭君ら西域の人物を扱った「西域エッセイ」と「クシャーン王朝の跡を訪ねて」などの「西域紀行　１」を収録。続きを見る

「忘れ得ぬ芸術家たち」「関西日本画壇展望」ほか新たに見つけた美術批評などの「美術エッセイ」と「利休と親鸞」などの「歴史エッセイ」を収録。続きを見る

ナイロン・ザイル事件に想をえた清新な恋愛小説として世間の話題を集めた「氷壁」など昭和三十年十月から三十二年八月までの長篇三篇を収録。続きを見る

若い日の夢、中国辺境の旅を果した「私の西域紀行」および「現代語訳」「選評」のほか新聞記者時代の文学・美術関係以外の「雑稿」を収録。続きを見る

乱世の弄ばれた茶々の生涯を小説的想像を駆使して描いた「淀どの日記」など昭和二十九年三月から三十五年三月までの長篇三篇を収録。続きを見る

「大正の橋」は「明治の橋」だった！解き明かされた歴史の真実とは？２０１２年に１００周年。「沼津御成橋」のすべて。続きを見る

千利休の最期の心境を描いた「本覚坊遺文」、乱世を生きる知恵を提示した「孔子」など昭和四十七年九月から平成元年五月までの長篇三篇を収録。続きを見る

「穂高の月」などの「日本紀行」、「河岸に立ちて」などの西域を除く「外国紀行」、および、愛・結婚・幸福についてなどの「人生論・女性論」を収録。続きを見る