木村トモカ - 全体 1

尾張徳川家の支藩、御畳瀬松平家の大老と付家老の連続暗殺事件が起きた。刺客たちは手錬れの藩士たちまでを皆殺しにし、その際だった刀法から薩摩の示現流の遣い手がいるのは間違いなかった。政治的思惑から将軍直々に下手人探索を命じられた南町奉行、根岸鎮衛は、隠密廻りのわが子、朝寝坊起内にこの命を託した。相変わ……続きを見る

両国で浪人たちが忍びの網代駕篭を襲撃した。たまたま現場に居合わせた売れない読み本作家、朝寝坊起内とその大家で南町奉行所臨時廻り同心、鳥居平次郎の活躍で駕篭の主は無事だった。ところがなんと、二人が守ったのは江戸町奉行、根岸肥前守鎮衛その人だった！奉行暗殺を狙う者の探索を直々に命じられた起内・平次郎の……続きを見る

江戸市中にひと月四件の付け火が続いた。現場を目撃した木戸番は斬殺された。犯人は高貴な身分でないと所有できない大太刀をもち、神谷道場で創始された「総捲」という秘剣を遣っている。これを伝授されているのは神谷道場門下の者しかいない。そして道場主の神谷重兵衛は、南町奉行、根岸肥前守鎮衛が息子の鎮馬の養育を……続きを見る