麻生玲子 - 小説・エッセイ 1

あいかわらず天然美人ぶりを発揮する白川。自分の前ではまるで子供のように無防備で素直な彼に、西野はぐんぐんはまっていく。ところがある日。「水の化石」を探すといっていつものように突然旅に出た白川が、『明……続きを見る

出会いは、飛行機雲だった。ひとりで好きなことをやり、周囲には気を配らず、しかも時々行方知れずで、だけど憎まれもしない不思議な存在の白川。気がついたら、西野はキャンパスでそんな彼とならんで雲ひとつない……続きを見る

のんびり、一歩ずつ気持ちをたしかめあう西野と白川。みんなと一緒のときは友だちで、二人でいるときには恋人ーー少しだけせつなくくすぐったいような、そんな関係だ。ところが夏休みには片や就職活動、片や地球の……続きを見る

バイトの家庭教師でうけもっていた優美が、高校合格のごほうびにと「３人での」デートをおねだりしてきた。白川とふたり、苦笑いしつつも微笑ましく見守る西野。ところがある日突然、いつもと逆のパターンで西野が……続きを見る

怪しい張り紙に気を取られて、自転車事故を起こしてしまった慶理。途方に暮れているとスーツ姿の男が声をかけてきた。彼の名前は東紘一郎。偶然、兄のデザイン事務所のクライアントだった。実は慶理は、高校生なが……続きを見る

彼が欲しい。彼に抱きしめて欲しい。ーー姉と二人、ずっと支えあって生きてきた大学生の勇希だが、ある日、結婚を目前に控えた姉が事故で急死。なりゆきで元婚約者の野田と一緒に暮らすことに…。野田はＴＶのコメ……続きを見る

高校受験をひかえ、部活も引退した大地。頭と心をグルグルにしているのは、受験勉強でも、サッカーができない不満でもない。空閑碧ーー兄の中学時代のクラスメイトで、今では大地の友人でもある大学生だ。何度かキ……続きを見る

青砥大地、十五歳。空閑碧、二十歳。はじめての出会いーー突然のファーストキスから五年が経った。空閑は大学に通いながらドラマの脚本を書き、大地はサッカーに明け暮れる毎日。そんなふたりをつなぐ砂時計が、ま……続きを見る

大学受験を控えて、慶理は悩んでいた。進学せずに、このままデザイナーの仕事を本格的に続けたかったのだ。兄の稔は、いい仕事をするためにも世間を見ておいたほうがいいと進学を勧めるのだが…。恋人の東に自分の……続きを見る

高校生の慶理は、兄のデザイン事務所で覆面デザイナーとして活躍中。恋人の東は商社マンで、慶理のデザインを気に入ってくれているが、その正体は秘密。あるとき慶理は東の依頼の仕事を手がけるが、結局担当からは……続きを見る

いよいよ高二も終わろうとする早春。大学受験をひかえる千明を心配して、母親が海外赴任先から帰国することになった。ひさしぶりの家族との生活、それは同時に「夜中に走れなくなる」生活。受験勉強、生徒会長・黒……続きを見る

大学受験を迎え、将来進むべき道を模索する千明。実は大きな「目標」があるのだが、まだ恋人の平瀬には告げられずにいる。一方、平瀬はそんな千明の「旅立ち」をそっと見守ろうと胸に決めていた。慈しみにも似た愛……続きを見る

真夜中を疾走するきみから、どうしても目が離せないーー。便利屋の平瀬威は、浮気調査の張り込み中、ひとつの影に目を奪われる。毎夜ひとりきり、ぎこちないフォームで走りつづける少年ーー高校二年生の別宮千明。……続きを見る

便利屋の平瀬と結ばれた千明は、彼の勤務先『ライフ・サポート』でバイトを始めていた。いっしょに過ごす時間が増えるとひそかに喜ぶ平瀬。ひとり暮らしの老婦人の飼い犬の散歩代行など、地味に便利屋稼業をこなし……続きを見る