汀こるもの - 小説 1

なびきは、幼い頃に親兄弟とはぐれ、神田に煮売屋を営む久蔵に引き取られ育てられた。十四歳になってから、店と加護する神棚を久蔵から引き継ぎ、常連客から寄せられる事件を、持ち前の感の鋭さと神さまのお告げで……続きを見る

幼い頃の火事で親兄弟と生き別れになった少女・なびきは、養父の久蔵の元で煮売屋を営んでいる。富士参りから久蔵が帰ってきて、落ち着きを取り戻したと思ったのも束の間、ツケをため過ぎて蓄電したはずの、店の常……続きを見る

なびきは幼い頃に親兄弟とはぐれ、神田に煮売屋を営む久蔵に引き取られた。養親となった久蔵が富士のお山でのご来光を拝むために旅立ったことで、十四歳のなびきが女将として、間口二間で二階建ての店を任される。……続きを見る