六 - ミステリー・サスペンス 1

あるマンション建設予定地に、なぜか異常なほど雑草が生い茂る理由を教えてーーそんな相談を受けた京都府立植物園の新米職員の神苗健は、「植物の探偵」こと「なごみ植物店」の店員・和久井実菜にその解明を依頼す……続きを見る

逆さまに咲くチューリップはありますか？ーー京都府立植物園の新米職員の神苗健は、ある母娘から質問を受ける。戸惑う神苗に助け舟を出したのは、その場に居合わせた「植物の探偵」を名乗る女性。彼女は西陣にある……続きを見る

ここは地の果て西サハラ。 羊飼いジャミル・ラティーフが立派なベドウィンとして独り立ちするその前に、『サハラ解放運動』のデモに参加した両親が蒸発し、ラティーフは一人砂漠に取り残される。 十九世紀にヨーロ……続きを見る

パーティを追放されたクロムは、『闇』の能力【固定ダメージ】を使って、かつてのパーティメンバーへの復讐を始める。元師匠で賢者ヴァレリーの弟子・マイカを追い、とある村へとたどり着いたクロムたち。そこで彼……続きを見る

会社員の梶谷の同僚に、上柴匡将という少し変わった男がいる。 一社に一人くらいは神秘学に造詣の深い者がいるのかもしれないが、この上柴の傾倒っぷりは一種異様な筋金入りで、万人の目を点にする畏れ多さを帯び……続きを見る

世は戦国。四国のとある小さな山村を、雑兵たちが襲った。秀太・鶴吉の兄弟と村の子供たちは、村長の家に匿われていた謎の子供二人とともに攫われてしまう。そして彼らは「決して立ち入ってはならない」と祖父母ら……続きを見る

夏。 樫村総一は大分川から別府湾へと注がれる水流に従うように海沿いの工業地帯へと足を踏み入れ、夢想を逞しくさせながら無人の一帯を一人静かに歩いていた。 上空では鳶の可愛らしい鳴き声、右手には陽を反射し……続きを見る

夜な夜な迫真を帯びる隣人の奇声。薄壁を挟んだだけのアパートで、三崎丈の睡眠不足もいよいよ深刻になっていた。 そんな折、郵便受けに一通の、何やら曰くありげに厚い封書を確認する。ひっくり返して差出人を確……続きを見る

【電子書籍には特典として書き下ろしSSを収録】　元警察官でミステリーマニアだった「俺」は、探偵にあこがれて私立探偵となるが、くだらないもめごとに巻き込まれて死んでしまう。　こんなのは本当の俺じゃないん……続きを見る

喬之介が十年前に亡くなった母を克明に思い出すのは、麻雀に徹宵傾倒した末、散々に終わって詰め所で寝ている時である。 敗北の余韻に暁闇の魔力が加勢し、「お母ちゃん……」と呟きながら喬之介は毎度静かに涙を流……続きを見る

ホラーの宴へようこそ。ここには闇をテーマにした７つの杯を用意いたしました。闇に潜むモノ、闇から襲いくるモノ、闇に染まりしモノ……。『暗闇』を存分にお楽しみください。収録作品：井上雅彦「闇仕事」、花田一……続きを見る

明智光秀最期の地と伝わる明智藪で、真っ赤に染まった竹が見つかった。光秀の呪いとも噂が広まる中、その謎を解いてほしいと、「植物の探偵」実菜と、京都府立植物園の新米職員の神苗は依頼を受ける。しかも依頼主……続きを見る

尾張藩の江戸下屋敷内に実在した、「御町屋（おまちや）」と呼ばれる宿場町。この町では、赤の他人が見せかけの夫婦（めおと）として割り振られた家に住まわされ、仮の商いを営み、藩主が遊覧する時だけ立ち退かね……続きを見る

数奇からの解放に直向きに歩む人々を描いた力強い物語です。 離脱して生きる術はないという常識、その呪い文句を覆して進化した遥か祖先が垣間見えれば幸いです。 中に数編、上記概要とは関係のない妙な物語も含ま……続きを見る

六世紀以上の時を隔てた建徳年間、北に阿讃山脈を仰ぐ四国は阿波の国のとある寒村に、一昔前まではそれなりに名を馳せていた名家が巍々粛然と流れ着いた。 その一家の嗣子である雪一だが、彼の右脳と左脳はどうに……続きを見る

地元の三名士に数えられる津軽藩士山上家は、天保の飢饉では村の舵を取って一人の餓死者も出さず、安政八戸沖地震では津波の脅威を逸早く察して如何なる負傷者をも波に呑ませなかった。 今尚その村が安泰に息をし……続きを見る

発症したが最後、見る者を凍り付かせる悲惨な病症を経た末に100％死に至る救いのない感染症、狂犬病。 現代を騒がせる感染症とは比較にならない危険なその病は、日本においてもかつては横暴の限りを尽くしていた。……続きを見る