山田風太郎 - 小説・エッセイ 1

会津大名、加藤明成は淫虐の魔王ともいうべき暗君だった。諌言の末、主家を見限った堀主水は妖異凄絶の武術を持つ会津七本槍を差し向けられ、一族郎党を惨殺されてしまう。唯一生き残ったのは、かよわき７人の女。……続きを見る

島原の乱に敗れ、幕府への復讐を誓う天草側の軍師、森宗意軒は死者再生の秘術「魔界転生」を編み出した。それは、人生に強い不満を抱く比類なき生命力の持ち主を、魂だけ魔物として現世に再誕させる超忍法だった。……続きを見る

医学生作家となった山田風太郎誕生の2年間 昭和22年〜23年。25歳の青年は東京医学専門学校（現在の東京医科大学）で試験と実習に追われる傍ら、前年書き上げて探偵小説専門誌に投稿した『達磨峠の事件』が入選、人……続きを見る

心をこの世に残しつつ死の際に立った男が愛する女と交わるーーと、一ヵ月後にその女胎を裂いて男が再誕する。妖異凄絶の忍法「魔界転生」。血風の中に甦る大剣鬼は天草四郎を筆頭に、宮本武蔵、荒木又右衛門、柳生……続きを見る

戦国の魔王松永弾正、己が邪恋を成就せんと、妖術師果心居士の弟子・根来忍法僧に数千の美女狩をさせた。伊賀忍者笛吹城太郎の妻・篝火もまたその贄となって果てた。だが奇怪！　復讐に起った城太郎の前に、弾正の……続きを見る

時は天正１８年。豊臣秀吉麾下２万余の軍勢に対し、わずか数百人の手勢を率い北条方の小城・忍城を守る美貌の麻也姫。姫を陰に陽に護るのは、忍びの者として天下に鳴る風摩組。中に割って入る戦場荒らしの７人の香……続きを見る

家康の秘命をうけ、徳川三代将軍の座をかけて争う、甲賀・伊賀の精鋭忍者各十名。官能の極致で男を殺す忍者あり、美肉で男をからめとる吸血くの一あり。四百年の禁制を解き放たれた甲賀・伊賀の忍者が死を賭し、秘……続きを見る

八犬士活躍後１５０年。若き城主里見忠義が快楽を貪った代償に、家宝の“忠孝悌仁義礼智信”の八顆の珠が“淫戯乱盗狂惑悦弄”にすり替えられた。これぞ、里見家取り潰しを狙う本多正信ー服部半蔵の策謀。甲賀卍谷で忍……続きを見る

大坂夏の陣、落城前夜に救出された千姫とその侍女たち。智将真田幸村はそのなかに秀頼の落とし胤を身籠る五人の女忍者を潜ませていた。それを知った家康は、「子が生まれる前に始末せよ」と密命を伊賀忍者に下す。……続きを見る

２０代最後の２年を綴った戦後日記第４弾！ 昭和２６〜２７年。山田風太郎が２０代最後にして独身生活最後の２年間を精力的に過ごした２年間を綴っている。 〈夜、成城の横溝氏たずねのんでいるうち前後不覚、気が……続きを見る

寛永１９年春。女人救済で名高い、鎌倉東慶寺の山門をおびただしい女性の血で染めた「会津七本槍」の七剣鬼。暗愚な藩主加藤明成を使嗾し、硬骨の家老堀田主水一族を皆殺しにした暴虐に今天誅が下される！　大いな……続きを見る

多くの鉱山を開拓し、家康さえも一目置いた稀代の傑物・大久保石見守長安。彼に立ち向かい護衛の伊賀忍者たちと激戦を繰り広げる不敵な無頼者「六文銭の鉄」の活躍を描く、爽快感溢れる忍法帖！ 続きを見る

250年の時空を超えて飛び交う二人の柳生十兵衛！ 十兵衛のそばで金春竹阿弥の声がした。「十兵衛さま、あなたさまはご先祖の満厳さまに変身されたのです！」「冗談ではない、前の帝・月ノ輪の宮とお前の伜・金春七……続きを見る

この人々は、あなたの年齢で、こんな風に死にました。安寧のなかに死ぬか、煉獄の生を終えるか？そして、長く生きることは、幸せなのか？戦後を代表する大衆小説の大家・山田風太郎が、歴史に名を残す著名人（英雄……続きを見る

250年の時空を超えて飛び交う二人の柳生十兵衛！ 茫々と薄墨に染まる木津川の河原に一人の男があおむけに倒れていた。「こんなことが！　我らの殿をかくも見事に斬るとは！」死者は天下無敵の剣豪・柳生十兵衛であ……続きを見る

”びるしゃな如来”という幻法を掛けられ、あらゆる男を誘惑し悩殺する体になってしまった北畠具教の一人娘、旗姫。欲望の塊と化した12人の剣豪たちから旗姫を守り抜くため、若き忍者が立ち上がる。 続きを見る

将軍家病篤し、の報に紀伊大納言は今や藩をあげて命運を賭すべく、魔界より甦った怪異の剣豪を供に江戸へ向かったーー魔人たちの大陰謀は大詰めに！　この天下覆滅の奸計に立ちはだかる柳生十兵衛。柳生谷に伊勢船……続きを見る

徳川五代将軍綱吉には世継ぎがなく、大老格として幕閣に権勢をふるう柳沢出羽守は秘かに画策するところがあった。将軍家正統の血をうけながら、足柄山中に育った葵悠太郎の出現は、柳沢を驚倒させた。前将軍の隠し……続きを見る

麻耶藩国家老の娘・お婉は、相手を眠らせる術を使う忍者３兄弟と共に、父の敵討ちに向う。対するは江戸家老が傭う剣客３人。眠りの術に、眠りつつ勝つ剣法を編みだされたが……。“極意”とは何かを見せる「忍法甲州路……続きを見る

13代将軍の家定は“癇性公方”といわれ、すこぶる虚弱体質のうえに凡愚、最低クラスの将軍だったらしい。31歳にもなるのに世嗣ぎがいないのは「子供のつくり方」を知らなかったというのだ。すわっ、徳川家の一大事、……続きを見る

怨敵「会津七本槍」の四人までを討ち果たし、加藤明成に迫る復讐の刃！　だが見よ、七本槍衆の総帥、不死身の妖人芦名銅伯の自信に満ちた不敵な笑いをーー。慈僧沢庵をともない、敵陣会津に乗りこむ柳生十兵衛と堀……続きを見る

哀しい異境へようこそ、傑作の初期短編集。「魔界」へと続く作品群ーー戦後の東京で、青年と、神宮の森の樟（くすのき）をねぐらとする骨の軟らかい美少女との、愛欲を描いた「蝋人」。主人公の男のシンボルの形を……続きを見る

徳川幕府の切れ者中の切れ者、旗本八万騎にまさるその存在は家康にさえ脅威であった傑物、大久保長安。その長安が山窩の娘に生ませた野性の子おげ丸は、今や、幕府忍び組きっての伊賀忍者に成長していた。彼は父長……続きを見る

蜀山人が「全盛の君あればこそこの廓は　花も吉原月も吉原」と頌歌をささげた松葉屋の花魁・薫。抜群の美貌と聡明さ、そして見事な侠気で、この女人国の苦海を泳いでゆく。欲と金、色恋の深淵、侍の意地……。快楽の……続きを見る

天井から垂れ下がった糸をつたって、乳色の液体がしたたり落ち、眠っている美女の唇に吸い込まれていった。すると信じられないような現象が起きた。女の美しい顔が、みるみるうちに皺だらけの老婆の顔に変貌したの……続きを見る

太平の世に忍術など何の役にも立たない。今は大道易者を続ける果心堂。だが、その独特の占いには絶大な効力が……。ある日、武士の客が来た。絶世の美女を賭けた試合の勝敗を占って欲しいと言う。相手は美男の剣客。……続きを見る

吸盤のような足で屋根裏をつたい歩く無気味な忍者。その逆さ斬りの凶刃が悠太郎めがけて一閃した。瞬間、跳上った悠太郎は振り子のようにからだを移動すると相手を唐竹割りに斬りあげた！　徳川五代将軍綱吉の時代……続きを見る

私の見た「昭和20年」の記録である。満23歳の医学生で、戦争にさえ参加しなかった。「戦中派不戦日記」と題したのはそのためだーー（「まえがき」より）。　「歴史」「死」に淡々と対峙する風太郎の原点がここにあ……続きを見る

心をこの世に残しつつ死の際に立った男が愛する女と交るーーと、ひと月後にその女胎を裂いて男は再誕する。妖異凄絶の忍法「魔界転生」！　血風の中に甦る剣鬼たちは天草四郎を筆頭に、曰く宮本武蔵、荒木又右衛門……続きを見る

太閤秀吉の愛妻・淀の方が秘所に潜ませた歓喜をよぶ「楊貴妃の鈴」を浮気相手に盗まれた。それを旅役者に化けた石川五右衛門が奪う。一座の娘・織部は太閤の妾になる夜、五右衛門を思い、そっと鈴を体内に……。大盗……続きを見る