倉橋燿子 - ロマンス 1

「君はいつも裸馬に乗って生きているようなものだ」健太郎の言葉は当たっていると思った。乱暴で、目茶苦茶で、後先かえりみず、無鉄砲に走り続ける。いつ振り落とされるかわからない。馬のたてがみだけを頼りに風……続きを見る

健太郎との恋で悩む私の心のすきまに、デュークは、あっという間もなく忍びこんでいた。恋は、身構える暇すらない。一度のまれてしまったら、絶対的な勢いで流れていくだけ。デュークとの恋を危険だと予言したジェ……続きを見る

デュークとは、あれ以来、ばったりと連絡が途絶えてしまった。オックスフォードの駅で別れたのが、私の不安どおり、最後になってしまった。あの時、激しく強く、私を抱きしめた別れ際のデュークの様子には、何か切……続きを見る

ふたたび、イギリスの乗馬学校への留学を決意した麻央。その出発の日、空港で皆に別れの挨拶をした麻央が、まさに、ゲートを過ぎようとしたときに……！？　波乱にとんだ青春をおくった麻央、明日からの幸せをともに……続きを見る

「天使よ……」ジェーンのささやく声がした。「天使が降りてきたのよ。ＭＡＯ……」私は、激しく首を振る。私にはわからない。何もかもがわからない。何をいえばいいのか、どんな顔をすればいいのか、わからない。「デ……続きを見る

北海道の大地も人も、私をあたたかく迎えてくれた。ここにいると私は心から安らぐことができる……。しかし、私には“母になる”という、重大な仕事がひかえている。そして、新しい風の中を歩きださねばならないのだ…………続きを見る

私は、よくよく田舎に縁があるらしい。乗馬留学のため、はるばるやってきたこのイギリスも、果てしない緑の草原に囲まれた小さな街で暮らすことになった。『ＲＯＶＥＲ　ＲＩＤＩＮＧ　ＳＣＨＯＯＬ』。私が入学し……続きを見る

旧友たちとのクリスマス・パーティーの帰り道は、自然と健太郎と二人になった。私たちは二人とも、かなり疲れていた。足取りも重い。「どうして……」私はつぶやく。「私たちはこうなっちゃったのかしら」私の声は、……続きを見る