安部公房 - 電子書籍 1

自分と他人が、もう一つ別の自分、別の他人に変容する。カフカ以上にカフカ的なグロテスクな世界ーー。芥川賞受賞。 ある朝、突然自分の名前を喪失してしまった男。以来彼は慣習に塗り固められた現実での存在権を……続きを見る

機械は人類の過酷な未来を語りだす。およそ65年前に著者が捉えたAIと新人類。近未来SFの金字塔！ 現在にとって未来とは何か？　文明の行きつく先にあらわれる未来は天国か地獄か？　万能の電子頭脳に平凡な中年男……続きを見る

安部公房が全世界に向けて仕掛けた罠ーー。世界24ヶ国で翻訳された、ノーベル文学賞に最も近かった作家の代表作。 砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの……続きを見る

いったいその顔は、誰の顔なのかーー。不幸な事故によって顔を失った男の狂気を描く怪作。 液体空気の爆発で受けた顔一面の蛭のようなケロイド瘢痕によって自分の顔を喪失してしまった男……失われた妻の愛をとりも……続きを見る

追っているはずが、いつのまにか追われる身に。周到な構成力、目をみはる完成度。同一・背反の関係がめまぐるしく入れ替わる10編。 自分の部屋に見ず知らずの死体を発見した男が、死体を消そうとして逆に死体に追……続きを見る

全国各地には、かなりの数の箱男が身をひそめている。どうやら世間は箱男について、口をつぐんだままにしておくつもりらしいーー。 ダンボール箱を頭からすっぽりとかぶり、都市を彷徨する箱男は、覗き窓から何を……続きを見る

ある夏の朝。時速２、３キロで滑空する物体がいた。《飛ぶ男》の出現である。目撃者は３人。暴力団の男、男性不信の女、とある中学教師……。突如発射された２発の銃弾は、飛ぶ男と中学教師を強く結び付け、奇妙な部……続きを見る

その探偵は失踪した男を探しているはずだった。ミステリとして進む物語は、徐々に都会の孤独と不安を炙り出していくーー。 失踪した男の調査を依頼された興信所員は、追跡を進めるうちに、手がかりとなるものを次……続きを見る

二本のペニスを持つ馬人間、出自が試験管の秘書、溶骨症の少女、〈仮面女〉……。もう逃れられない。作家の想像力が現実世界を破壊していく。 ある夏の未明、突然やって来た救急車が妻を連れ去った。男は妻を捜して……続きを見る

人間が機械に、そして植物に。犬が犬の姿のまま、人間に。世界に注目されていた作家が、自我と認識の越えられない壁に挑む12編。 会社を首にされ、生きたまま自分の「死体」を売ってロボットにされてしまった機械……続きを見る

やがて世界に名を馳せる作家の飛翔はここから始まった。安部文学の息吹を体感する11編。 太平洋戦争末期、満州で激動の日日を過ごした青年は、その時何を思い、何を未来に残したのかーー。漂泊民の少年が定住を切……続きを見る

自分を火星人だと名乗る男が、突然部屋に入ってきた……。二転三転する物語は誰も予測できない結末へ。底知れぬ恐怖を描くホラーSF。 《こんにちは火星人》というラジオ番組の脚本家のところに、火星人と自称する男……続きを見る

狂っているのは、私か世界か。人間存在の不安を描ききった、現実とフィクションの境目を惑わす11編。 ある日突然現われた父親と名のる男が、奇怪な魚に生れ変り、それまで何の変哲も無かった街が水中の世界に変っ……続きを見る

人生もまた、道のない「荒野」ーー。絶望の果てに逃避行を続ける男たちが、そこで見たものは？ ソ連軍が侵攻し、国府・八路軍が跳梁する敗戦前夜の満州。敵か味方か、国籍さえも判然とせぬ男とともに、久木久三は……続きを見る

ほとばしるブラック・ユーモア。前衛文学の到達点。巨星が遺した最後の長編。 ある朝突然、〈かいわれ大根〉が脛に自生していた男。訪れた医院で、麻酔を打たれ意識を失くした彼は、目覚めるとベッドに括り付けら……続きを見る

非現実的な世界が、次第に現実となっていく……。明晰な思考、驚くべき想像力に裏打ちされた、人間の根源を見通す戯曲３編。 平凡な男の部屋に闖入して来た９人の家族。善意に満ちた笑顔で隣人愛を唱え続ける彼らの……続きを見る

破滅に瀕した世界からの脱出をーー。旧約聖書に描かれたノアの奇跡。現代の「方舟（はこぶね）」は、果して出航できるのか。 地下採石場跡の巨大な洞窟に、核シェルターの設備を造り上げた元カメラマン「モグラ」……続きを見る

ユーモアとイロニー、そして恐怖……。作家・安部公房、創作の淵源は「夢」にあった。 笑う月が追いかけてくる。直径１メートル半ほどの、オレンジ色の満月が、ただふわふわと追いかけてくる。夢のなかで周期的に訪……続きを見る

権力への羨望が、人を町を狂わせる。地方都市を舞台に、人間の滑稽なまでの生態に迫った傑作。 眠った魚のように山あいに沈む町花園。この雪にとざされた小地方都市で、疎外されたよそ者たちは、革命のための秘密……続きを見る

つねに前衛的な表現を追求する安部氏と、日本文学研究の第一人者キーン氏が、小説・劇・音楽などを論じて現代文化の本質に迫る、示唆に満ちた対談。 続きを見る

　芥川文學獎得主 　　安部公房 　　日本卡夫卡 　　日本前衛文學代表 　　套上紙箱之後 　　人不人箱不箱的怪物 　　都市流浪者的窺視實驗 　　頭上套著紙箱，徘徊都市的箱男，從窺窗凝視什麼呢？ 　　捨棄一切歸……続きを見る