津島佑子 - 電子書籍 1

ピアノ教室の講師をする女は、離婚して娘と暮している。娘は受験を口実に伯母の家に下宿して母親から離れようとしている。体調の変化から、ある日女は妊娠を確信する。戸惑う女が男たちとの過去を振返り自立を決意……続きを見る

血のつながりのやり切れなさを、鋭敏な感性でつづり、独自の文学世界をひらく。不思議な物語の魅力あふれる力作中篇集。（講談社文庫） 続きを見る

血の絆、性の葛藤の果てに、生の極致を望む女たちーー雪の日にひとりこどもを殺した！　……少女時代の悪夢が、姉妹に遠い影を投げかける。血の絆に惹かれるように、妹の夫と関係を結ぶ姉・牧。抜き差しならない深み……続きを見る

見わたす限り青く深い、草のうねりの中に身をうずめ、別れた男への絶望とたえがたい憧憬を内に焦がす二人の女の、怪しげな交友と亀裂、時にひびわれて暴発する性への傾斜、足を踏みいれた沼地の闇を手探りに探す愛……続きを見る

『八犬伝』の伏姫、『番町皿屋敷』のお菊、三ツ目小僧……。物語、伝説、夢、フォークロアなどを鮮やかな媒介として、「秩序」「制度」からはぐれ、はずれた生や、愛たちを問う、「新しい時代」の女性作家・津島佑子……続きを見る

２１歳の多喜子は誰にも祝福されない子を産み、全身全霊で慈しむ。罵声を浴びせる両親に背を向け、子を保育園に預けて働きながら１人で育てる決心をする。そしてある男への心身ともに燃え上がる片恋ーー。保育園の……続きを見る

夫との別居に始まり、離婚に至る若い女と稚い娘の１年間。寄りつかない夫、男との性の夢、娘の不調、出会い頭の情事。夫のいない若い女親のゆれ動き、融け出すような不安を、“短篇連作”という新しい創作上の方法を……続きを見る

日本でキリスト教徒の迫害が進む17世紀。アイヌと和人の子チカップは、兄と慕うジュリアンと共に、命懸けの航海の末マカウの地に辿り着く。母に聴かされたアイヌの歌を拠り所に生きるチカップは、キリスト教の信仰……続きを見る

2011年、網走。亡き息子との思い出の地を訪れた「わたし」の胸に甦るアイヌの歌。その調べに導かれ、ある少女の波瀾に満ちた物語が繙かれる。キリスト教迫害が進む17世紀、アイヌと和人の子チカップは、聖職者を志……続きを見る

中上健次の盟友が模索し続けた文学の可能性。 「それにしても、言い争いばかりしてきたような気もする。そして、私にとって、はじめて出会った時に思い決めた“中上健次”への徹底的大反論はまだ、これから先のこと……続きを見る

団塊世代の男女5人。共に子供時代の謎を探るうち、身内の秘密や時代の暗い影が浮き彫りになり・・・。円熟期を迎えた作家がつむぐ現代の叙事詩。＜目次＞一　月が震えて二　「開戦ドン！」三　まいごの、まいごの……続きを見る

変てこだったりグロテスクだったり極端だったりする、究極に純度の高い愛のアンソロジー。人気作家勢揃い！　●川上弘美●多和田葉子●本谷有希子●村田沙耶香　●吉田知子●深堀 骨●安藤桃子●吉田篤弘●小池昌代●星野智……続きを見る

『堤中納言物語』は、毛虫を愛する型破りなお姫さまや、片思いに身を焦がす憂愁な貴公子などの登場人物たちが登場する物語で、世界最古の短編小説集。『うつほ物語』は全２０巻、日本最古の長編物語。天上の琴を守……続きを見る

渾身の純文学長篇小説。台湾に暮らした日本女性の愛の手紙・日記。７０年の時を経て甦る２人の女性の愛の人生。ーー女は思わず、海を振り返る。海に戻りたい。女は陸の世界におびえ、つぶやく。わたしは死なない。……続きを見る

死ぬ時に、ああ、私にはもっと別の人生があった筈なのに、と自分の生涯を後悔しなければならない程不幸な事があるだろうか、と今まで私は思い続け、それで死ぬのも怖れ続けていた。でもこうした後悔は随分傲慢な思……続きを見る

感動の第一級文学作品。長い時間が経っても、たどりつけない悲しみ。やがて物語は、深い深い感動を誘うーー。わたしたちはそれぞれに示されている道をたどって、「人類の至るべき所」に向かうべきでしょう。わたし……続きを見る

火の山ーーとは富士山のこと。その富士山に寄り添いながら生きた有森家の変遷史。誕生と死、愛と結婚の型。戦中戦後を生きた人たちを描きながら、日本の近代を見つめ直した傑作長編小説。第５１回野間文芸賞、第３……続きを見る

王朝びとの都への熱く深い思い。和歌が紡ぐ「歌物語」の典型の２つの古典を道づれに、日本の心を訪ねる！　ーー和歌が紡ぐ「うたものがたり」の典型、「なにしおはば……」の『伊勢物語』と「男もすなる日記……」の『……続きを見る

30年後のニホンの未来像を描き絶筆となった表題作ほか、強くしなやかに生きる女性たちの姿を追った「ニューヨーク、ニューヨーク」「オートバイ、あるいは夢の手触り」を収録。女性や弱者、辺境のものたちへの優し……続きを見る

【逝去直前まで推敲を重ねた津島文学の到達点】 「津島さんはまだこの小説の中に生きていて、読む私たちとともに、奮闘している」ーー星野智幸（解説） でもあのことばだけは消え去らない。 忘れていたはずなのに……続きを見る

口承によってうたい継がれてきた中央アジア・キルギスの英雄マナスは、永遠に年をとらない、とても元気な男の子。その「夢の歌」を聞きたいと旅をする「あなた」。氷河によって削られたジャイロの美しい牧地に心奪……続きを見る

アメリカ兵と日本人女性との間に生まれたミッチとカズは、ママに引き取られて暮らすことに。また、ママのいとこの子であるヨン子とも幼馴染みであった。ある日、オレンジ色のスカートをはいたミキちゃんという子が……続きを見る